循環器内科
当院で行っている検査、治療について
心臓を栄養する冠動脈の治療では、狭窄度(きょうさくど)だけをもとに風船治療することは、薬物治療と変わらないか、それ以下の効果しかありません。われわれは、狭窄のもとになる血管の汚れであるプラークの成分を分析しながら、どういう治療がその方のためになるのかよく検討してお話しいたします。
0.75mmの細いファイバーで心臓の血管を観察する血管内視鏡は日本でも行っている施設はまだあまりありません。これを大動脈のプラーク破綻の観察に利用する方法は当科が世界に先駆けて行い、日本の各大学、病院から見学を受け入れています。
診断の心臓カテーテル検査に代わる心臓CT技術は、この分野で日本のフロンティアの医師が常に患者様のご負担を減らすように放射線技師と撮影技術を改良しています。
• 心電図
• レントゲン検査
胸部その他
• エコー(超音波検査)
頸動脈エコー、心エコー、経食道エコー、下肢静脈エコー、薬物負荷エコーなど
• 運動負荷試験
• ホルター心電図
• ABI検査
• 心臓・大血管CT
• MRI
• 心臓カテーテル検査(風船・ステント治療)
• 血管内視鏡
• 血管内超音波
• OFDI
• FER
• 恒久的ペースメーカー、一時的ペースメーカー
• 下大静脈フィルタ留置
• 肺血栓吸引除去術など、
重症度に応じて緊急で行い、悪いことがわかった段階で臨機応変にご連絡を差し上げる対応も
しています。
心臓の検査について教えて下さい。
1.心電図
手や足、胸に電極のついたワッペンを張り、そのあと電極をつけて心臓を伝わる電気信号を外からみるものです。心臓は最も重要な臓器の一つなので、硬い肋骨に覆われています。それを電気信号を頼りに以上のあるなしを調べるものです。ワッペンが吸盤であったりすることはありますが、基本的に痛くない検査です。体が緊張していると、波形が乱れるので、よく、リラックスしてください、といわれます。
2.胸部レントゲン
心臓の大きさ、肺の水のたまり具合などをシルエットでみるものです。心臓の大きさは大きければ大きいほど無理がかかっています。肺の水なのか肺炎なのか区別したりします。
3.心エコー
超音波で心臓の大きさや動きを調べるものです。超音波を当てるだけで、透けて見えるように、心臓の大きさや動きを調べることができます。心臓の動きは一部が悪くなることがあり部分的な変化を細かくとらえることができます。肺の圧力や血流の細かいところも評価できます。
4.運動負荷検査
心電図をつけたまま運動することで、体に無理をかけて心電図変化を見ます。冠動脈に狭窄があっても、十分な運動量で行った負荷検査で問題がなければ薬だけの治療にします。
5.心臓CT検査
心臓の血管である冠動脈を直接体に管を入れることなく、CTで撮影するものです。腕の静脈から点滴で造影剤を入れてタイミングを合わせて撮影します。我々はこの技術を、大阪警察病院、尼崎中央病院をはじめとした病院に提供してきました。いまでは当院は造影剤の使用量を通常の半分に抑えており、腎臓の悪い方でもご負担のない検査になります。
<より体に優しい心臓CTについて>
2018年7月よりきわめて高性能のCTを導入しました。
6.心臓カテーテル検査
上記の検査で心臓が悪いと考えられた場合、精密検査及び治療として行うものです。局所麻酔ののち、足や腕の血管から2mm弱の管を入れて心臓まで血管を通していきます。血管の内側には神経はないので、麻酔が利いたら痛みはありません。血管の汚れである動脈硬化は体のあちこちにおきています。心筋梗塞を起こされた方が脳梗塞を起こしやすい、その逆もよくあることはそれを示しています。われわれは、体の中心を走る大動脈の汚れを内視鏡できる方法を開発し、安全に数百例の経験があります。
風船治療
血管に狭窄があったり、閉塞しているところにまず細い針金を通し、風船で間口を広げ、医療用金属でできたステントを埋め込みます。時間が経つとステントの内側に内皮が巻くようになります。それがひどくなると再狭窄という状態になります。それを進めないためにステントに内皮の細胞が増えないようにする薬を塗ったものを使うことが一般的です。
なお、狭窄の評価だけでは不十分で、汚れの成分であるプラークの成分を解析することが重要です。その評価のために血管内視鏡や血管内超音波で調べることがあります。
その他のカテーテル検査
心臓や肺にカテーテルを進めて圧力を見たり、心臓の部屋の中に造影剤を入れてその動きを見たり、逆流などがないかみたり、心筋の細胞を少し採取して異常の有無を判定したりします。