30代40代医師Q&A

診療担当表


当院で後期研修を検討されている方へ・若手医師の方々へ

Q  ここでは何を学べますか?
A  われわれができることは、先ず「どの環境においても時代を見ながらその時代で重要なことを先回りして考え、対応するものの考え方、すなわち時代のリーダーとなりうる人材」を育てます。
漠然としていますが、「PCIの技術が身につく」、「心臓CTの技術が身につく」など技術面だけでは次の時代に対応できません。また、新しい技術も数年、数か月で次の技術にとって替わられ、次々と古いものになってゆきます。最先端の技術を習得してもらうことは勿論でありますが、次の時代を見据えた研究や技術開発もあわせ勉強して頂く様配慮します。
何を教えてくれるか、は研修医の先生方にとって重大な問題です。ただ、発想を逆にして、「自分はまだ何の技術もないが研鑽して、自らもお世話になる施設の役に立とう」との意欲を持って共に努力してくれる人が将来の医療、医学を担うことでもあります。

Q  後期研修先としては、やはり有名で大きな病院や医局に所属する
のがいいのでしょうか?

A  当然小さすぎて設備がなければできませんが、大きすぎても自由はききません。当院は約500床の規模を持つ医療施設ではありますが、法人が変わって間もないこともあり、大病院特有の偏ったセクショナリズムは一切ありません。その意味からも研修に極めて適した規模を持ち、新興の気運に燃えた施設であると確信を以て研修病院として推奨出来ます。
高い医学レベルを維持するためには日ごろの研鑽が欠かせませんが、当循環器内科は毎年AHA(米国心臓協会), ACC(米国大学心臓会議)、日本循環器学会をはじめとした世界レベルの学会や学術雑誌でも多くの論文を発表し、研修医の方にも多くの発表の機会を提供しています。その意味では大学との交流も盛んに行われ、太いパイプを構築しています。

Q  前期研修医で選んだ病院では、循環器があまり盛んではありません
でした。でも次を探す時間もないですし、まあこのままでいいか
とも思っているのですが…

A  自分の将来は誰も保証してくれませんし、引き留めてくれる先生も、人手が不足しているという理由の場合もあります。自分の将来像をまず考えて、それが現実に合っているかを相談できる先輩がいるかどうかを考えて、ポリシーに合うところに移るのがいいと思います。社会では将来を開拓していくのはご自身です。

Q  PCI治療が魅力的でぜひやってみたいのですが、できますか。
A  勿論可能です。また皆さんへの勧誘の場では、「できるよ、できるよ」と答えるのが一般的です。ただ、PCI治療は、循環器治療の一つの手段に過ぎません。PCIだけではなく、現在最先端として注目されている全ての技術(カテーテル・アブレーション、生理的ペースメーカーなどの不整脈治療、MDCTや血管内視鏡などによる先端的画像診断)を含め幅広く習得して頂けるよう配慮していきます。一つの技術、知識だけを手っ取り早く吸収し、それに依存して、職場を転々とするような医師にはならないように気配りして指導をしていきます。
若い有能な人が何かで自信をつけたいという燃える意欲は理解できますが、これまで申したようにある特定の技術のみで一生安泰ということはありません。またPCIは一つを例にとっても他の先輩、同僚、各コメディカルとコミュニケーションを取って、チームとして活動し、共に考えてこそ本当の知識、技術を磨くことが出来ます。

Q  前期研修で発表をさせられましたが、いろいろつっこまれて
嫌でした。発表はしないといけませんか?

A  「以前はそうでした」といわれる著名な先生方も少なくありません。人前に出るのが生理的に嫌な人もおります、決して無理は言いません。しかし、学会研究会が何のためにあるのかを考えてみましょう。学会研究会というのは、同じ分野の人が集まって、日頃の疑問を聞くことです。人間の生命に直結しますので、時には厳しいことを言われますが、ほかの施設の若い先生に厳しいことを言うのは、その先生に思いやりがある証拠です。人を叱咤激励することはその当人もエネルギーを消耗するのです。そこで指摘されたことのうち参考になることを取り入れてさらにいろいろ考えてみることはとても重要で、さらに同じ症例を検討してみると、いろいろ見えてくるものが必ずあります。
しかし、今の本邦の医療界においてはそれを親身になって教えてくれる施設はそう多くはありません。またそれを英文論文で報告すれば、数年後に外国の患者で同じ病態の人を救う結果にもつながると思います。

Q  研究をしたいのですが、臨床は毎日忙しく研究ができないと
思います。やはり基礎研究しか選択肢はありませんか?

A  当施設は臨床研究を殊に重視しています。全ての医学研究は臨床の場で生かされて初めてその意義を見出します。その意味では、人類にとって臨床研究こそが全て基礎研究の帰趨を握っています。さらに臨床の場では人それぞれの個体に多様性があり、興味尽きない研究の成果が得られます。「患者さんが教科書であり医学の真髄」を教えてくれます。毎日の臨床の疑問からいろいろなアイデアが思いつきますし、大学に限らず民間病院でもそれを解決することは十分可能です。前述しましたが当科では、後期研修1-2年目から日本循環器学会総会で発表し、2-3年目には、アメリカのAHA、ACCで発表できるように指導しています。早くから頭角を現すことは大変有意義であり、その機会を得ることのできる極めて少ない施設でもあると思います。共に学び、研鑽しましょう。

Q  仕事はほどほどで自分の時間を優先したいと思っていますが、
そういう考え方も大丈夫ですか。

A  何事も患者の方々の病状が優先と思います。しかしだからといって精神論で24時間働き続けなさいと言いませんが、ある程度の責任感は必要でしょう。また、世界中で新しい医学を進歩させようと皆が努力しています。同じスピードで努力していたのでは、スケールの大きな欧米にはかないません。彼らに伍して確りとした目的意識を持ち、共に前進しましょう、我々の世界に光栄あれ!です。

Q  今いる職場は人数が多く、入職時の話と比べチャンスに
恵まれません。そちらではいろいろさせてもらえますか。
A  人数の多い職場はそういうものです。仕事の歯車となってしまいます。当科はまだそこまでの大人数ではないので、皆がお互い目が届き、お互い補いあい、またコメディカルとも良い関係を築いています。チャンスはむしろ人数が増えてしまう前がいいかもしれません。ただ、当科は「人手が足りない」という理由では募集していません。「人は宝」です。お互い意気投合した仲間を増やし、将来のリーダーとなる人材を探しています。

Q  スキルアップするために1、2年ごとに転職をしてきました。
ですので、柔軟に適応できることが特技と思っています。

A  職場の雰囲気に慣れるまでに数か月、市民権を得るまでに1年、また一つのまとまった仕事を特技として持つまでに3年はかかります。このため、 医師においては1,2年いるだけでは、あまり我慢できない人であるという評価になってしまいます。患者の立場となった時に、やっと先生に慣れてきたと思ったら1,2年でコロコロ主治医が変わる病院を信用するでしょうか。技術のスキルアップも大切ですが、医師としての信用を得るように、一度来られたら、5年は少なくとも居るようにお勧めしております。

Q  機器は最先端ですか?見学に行っても構いませんか?
無理に勧誘されませんか?

A  新築であり、機器も十分そろっています。ただ、機器があってもそれを使う人間に力がないと成り立ちません。医療への向き合い方、研究の進め方は若いときに形成され、それが一生続くといっても過言ではありません。卒業するときは勧誘されたかもしれませんが、それは一生続きません。無理に勧誘され、価値観が合わなければ続きません。われわれは、コンセプトを重要視しています。良い点数を取る、専門医を取るというわかりやすい目標を立てるのではなく、機器の新旧にかかわらず、変化の激しい世の中で常に最先端の位置にいて生き抜いていくこと、そのためにどう考えて行動するかが重要です。

Q  転職可能時期はやはり4月からでしょうか?
A  特に開始時期を4月に設定していません。人との出会いにはタイミングが大きな要素です。少しでも気になる、見学したいということであれば、お時間は作りますので、病院あるいは小松(plaquemap@yahoo.co.jp)にコンタクトください。 

このページの先頭へ

よくアクセスされるページはこちら