緩和ケア病棟
緩和ケア病棟について
緩和ケアとは、がんによる身体的・精神的な苦痛を和らげ、患者様とご家族様の生活の質(QOL)を向上させる医療支援です。がんと診断されたときから緩和ケアを始めることが大切とされており、当院でもがん治療の初期段階から様々なケアをチームで提供致します。
従来の3大治療である手術療法、化学療法、放射線療法などと連携しながら、がんの包括的治療として緩和ケアを行います。
緩和ケア外来(外来)
放射線療法や化学療法などの通院治療中に、外来で緩和ケアを提供します。
緩和ケア病棟(入院)
身体や心の様々なつらさを、できる限りやわらげる治療やケアを専門的に提供します。また、痛みなどの症状が強い場合に緩和ケア病棟に入院し、症状が緩和されれば自宅へスムーズに退院が出来るように地域や在宅医療機関との連携を行っていきます。
在宅緩和ケア(自宅)
医師や看護師が訪問し、症状を緩和するためのケアを行います。住み慣れた家で、自分のペースで日常生活を送ることができます。
※当院では行っておりませんので、かかりつけ医がいない場合は当院からも自宅近くの訪問診療医を紹介させていただきます。
病棟内のご案内
特別室(日額18,000円)
広さ:23㎡、設備:ユニットバス、洗面台、冷蔵庫、家具、応接セット
有料個室(日額6,000円)
広さ:13㎡、設備:トイレ、シャワー、洗面台、床頭台
スタッフステーション
談話室
面談室
緩和ケア病棟入退棟基準について
入棟基準
1.がんと診断されている患者様が対象です。
2.がんによる苦痛(身体的・精神的)の緩和を必要としている患者様が対象になります。
3.患者様もしくはご家族様が、下記事項を理解した上で緩和ケア病棟への入院を希望されていることが原則です。
➀病状の進行による症状に対して、痛みや呼吸苦等の症状緩和を目的とした医療が行われること。
➁緩和ケア病棟入院中は、化学療法や根治目的の放射線治療等を行われないこと。
4.患者様ご本人が入院時に病名、病状についてご理解されていることが望まれます。
退棟基準
1.患者様もしくはご家族様が、退院もしくは転院を希望しているとき。
2.苦痛などの症状のコントロールができており、退院可能な状態であるとき。
3.手術や化学療法、根治目的の放射線治療など、がんの治療を希望されたとき。
4.がん以外の疾病の治療を優先する必要があるとき。
緩和ケア病棟への入院までの流れ
※緩和ケア科情報提供シートはこちら
・緩和ケア科情報提供シート(Excel)
・緩和ケア科情報提供シート(PDF)
緩和ケア病棟への入院までの流れ
Q.積極的な治療は出来ますか?
A. 緩和ケア病棟では、がんの治療を目的とした積極的な治療は行いません。
Q.輸血は出来ますか?
A. 患者様の状況に応じて輸血実施の判断を行っております。
Q.点滴はしてもらえますか?
A. 脱水に伴う苦痛を和らげる治療として点滴をすることは可能です。しかし、体のむくみや腹水・胸水の量によっては、たくさんの点滴をすることによって逆に苦痛が強くなる場合があるため、苦痛を和らげるために点滴を控えることもあります。体調に合わせて相談していきます。
Q.緩和ケア病棟では人工透析・腹膜透析の継続は可能ですか?
A. 緩和ケア病棟では透析を継続しての入院はお受けすることはできません。
Q.緩和ケア病棟と一般病棟ではどのような違いがありますか?
A. 一般病棟では病気に対して積極的に治療(手術、点滴、放射線療法など)を行う病棟です。
一方、緩和ケア病棟は癌を主とした積極的な治療困難な患者様が、その人らしく人生を全うすることを援助致します。そのため、緩和ケア病棟では患者様の苦痛(苦しみや痛み、不快感など)を出来る限り軽減できるように努めます。
Q.緩和ケア病棟入院までに容態の変化があればどうしたらいいですか?
A. もともとの主治医や病院へご相談ください。
Q.緩和ケア病棟へ入院するために患者本人が病名を知っている必要はありますか?
A. 原則として、患者様が病名を告知されていることが必要です。
ただし、意識レベルの低下や認知症など、患者様へ告知が出来ない場合はこの限りではありません。
Q.ペットの面会は可能ですか?
A. ペットの面会は行っておりません。
Q.延命処置はしてもらえますか?
A. 緩和ケア病棟では、生命を尊重し自然な経過を見守らせていただきます。
人工呼吸や心臓マッサージなどは、患者様にとってより苦痛となる可能性もあり患者様やご家族様の了承のもと差し控えております。